甲子園出るぞ!!

1. 終わらない冬、届かなかった「あと一歩」秋の県大会準決勝。彼は一打サヨナラのチャンスで三振を喫した。あと一歩で逃した選抜甲子園の切符。自分のせいで先輩たちの夏が終わった――その悔しさが、冬の猛練習の原動力だった。指の皮が剥け、紺色のユニフォームが泥と汗で白く塩を吹くまで、彼はバットを振り続けた。「次こそは、俺のバットでみんなを甲子園に連れて行く」。2. 宿敵との再戦、9回裏のドラマ激戦を勝ち抜き、迎えた夏の地方大会決勝。相手は秋に敗れた宿敵。試合は緊迫した投手戦のまま、9回裏二死満塁、スコアは2対4。一打逆転サヨナラのチャンスで、打席には4番・ショートの彼が向かう。ベンチからは「お前が信じて振ってきたバットだ!」と仲間の絶叫が響く。彼はヘルメットの庇(ひさし)を深く直し、バットを天に向けて高く掲げた。驚くほど心は静かだった。ただ、これまで共に血の滲むような練習を耐え抜いてきた仲間の顔が、鮮明に脳裏をよぎった。3. 甲子園の空へ相手エースが投じた、この日一番のストレート。吸い込まれるような軌道に対し、彼は迷わず鋭く踏み込んだ。「ガツン!」という、芯で捉えた爆音。打球は綺麗な放物線を描き、バックスクリーンへと吸い込まれていく。劇的な逆転サヨナラ満塁ホームラン。歓喜に沸くスタンド。泣きながら一塁へ走り出す彼。泥だらけの背番号「6」が、ついに感動をもたらした。

Image V3·1:1·2026/06/24

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