ガイルドラゴン

我が名はガイル!この世界を恐怖に陥れる暗黒の竜である!」緑に輝く強靭な鱗、すべてを見通す鋭い眼光、そして天を突く2本の巨大な角。ガイルは今日も、お気に入りの神殿の鏡の前でポーズを決めていました。「よし、今日も完璧な威厳だ。人間どもを震え上がらせに行ってやるか」ガイルは重厚な足取りで神殿の出口へと向かいます。気分は最高潮、まさに最強の魔王そのものです。しかし、一歩外へ踏み出そうとしたその瞬間。「ゴンッ!!!」神殿内に鈍い金属音が激しく響き渡りました。なんと、自慢の立派な角が、入り口の頑丈な石のドア枠に思いっきり引っかかってしまったのです。勢いよく進んでいたガイルの巨体は、角を支点にしてその場でガクンとストップ。反動で、鋭い眼光は一瞬にして「白目」になり、口からは「ふぎゃっ」と情けない声が漏れました。「い、痛つつ……。バカな、私の計算ではあと数センチは余裕があったはず……!」涙目で角を外そうと、頭を前後左右に激しく振るガイル。しかし、金色のリングで装飾された立派な角は、ドア枠に見事なウェッジ(くさび)状態で挟まり、ビクともしません。「だ、誰か……誰かおらぬか! 門番! 助けろ!」慌てて部下のゴブリンたちを呼びます。集まってきたゴブリンたちは、普段あんなに恐れている魔王様が、入り口の枠に頭を挟まれてジタバタしている姿を見て、必死に笑いをこらえています。「おいお前たち、笑うな!早くこの神殿の壁を壊せ!」「魔王様、ここ、先週リフォームしたばかりで予算がもうありません!」「そんなことはどうでもいい!早く引っぱれーー!」ゴブリン3人がかりでガイルの尻尾を「うんとこしょ、どっこいしょ」と引っ張ります。「スポーーーーン!!」勢いよく角が抜けた瞬間、ガイルはそのまま後ろへ大転倒。自慢の鋭い棘がついた鎧のせいで、亀のようにひっくり返ったまま起き上がれなくなってしまいました。「……今日の人間界への侵略は、中止だ。明日にする」天井を見つめたまま、小さな声でそう呟くガイルなのでした。

提示詞

fine dragon's splendor

WAI·1:1·2026/06/28

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