坂の下に大きなひとっの街灯が、青白く立派に光って立っていました。 貧しい子供のジョバンニが、どんどん電灯の方へ下りて行きますと、いままでばけもののように、長くぼんやりうしろへ引いていたジョバンニの影ぼうしは、だんだん濃く黒くはっきりになって、足をあげたり手を振ったり、ジョバンニの横の方へまわって来るのでした